江戸川乱歩『石榴』

文庫版『パノラマ島綺譚』に同時収録されてる「石榴」読んだ。

おー、いいねこれ、乱歩の耽美趣味が遺憾無く発揮されてて好き。

幾代前の先祖から培われた憎悪の血潮によって起きた「硫酸殺人事件」。人間の顔がグロテスクに損壊したその光景はまるではぜた石榴のようだった――。

10年前に起きた事件について担当した刑事がひとり語りする形式で話は進み、その凄惨な事件についての詳細と謎解きを解説していきます。犯人の異常な精神性も感じられ、場面場面の残酷で美しい情景が脳裏に焼き付くような作品でした。にしても最初に登場する美青年はなんなの? ただの変人アーティストだったということでいいんでしょうか。だとしたら野生の変態過ぎて最高なんですが。