『科学でかなえる世界征服』読んだ。

世界征服を企むヴィランのための指南書、という体裁で書かれた一風変わった本。いわゆる空想科学読本に近い「フィクションの出来事を実際にやろうとしたらどうなる」という考えに基づいているようだ。作者はアメコミの原案作成者でもあり、日夜頭を絞ってあれやこれやの「悪だくみ」を考案している方らしい。そんな経歴もあってか視点として「ヴィラン側」に立った論調になっているのがまた面白い。君なら出来る!困難なんてなんてことないだろ?と言った感じで読者を励ましながら世界征服の方法を緻密に、どこまでも科学的に伝授するのだ。んが、書かれている方法はどれもこれも一般市民には到底手も足も出ないハードルの高いものばかり。簡単に言えば莫大な金がかかるのだ。地下や空、果ては宇宙に自分の基地を造るという計画から話はスタートするのだが、そのどれもが実現困難なものばかり。だからこそ笑いながら楽しく読める本でもある。その他にも恐竜を復活させる計画や、地球のコアを人質に取る計画など、様々な形で地球を征服する方法を語り、さらに自らの偉大な業績を残す方法までしっかりと(マジでしっかりと100億年単位で残す方法を書いてるから笑える)書いている。合間に挟まれるコラムや脚注の多さ、その主張の強さも冗談みたいでに感じる。ヒーロー映画が好きな人に特にお薦めしたい本、ではあるのだが、若干読みづらさもある。一文ごとのセンテンスが長い上に、話があちこちに飛びまくるので慣れないと疲れるかも。私は読むのに結構時間がかかりました。でもこういうおふざけ本はたまにいいもんだ。