ホワイトロータス2

白人セレブが観光地に建てられたホテル「ホワイトロータス」にやってきて、個々のひた隠しにされていた"諸事情"を皮肉たっぷりに描いたブラックコメディ第2弾。

大きく分けると3組くらいのお客さんグループに焦点を当てていき、「格差」や「序列」の構造を浮き彫りにしていく流れはシーズン1と変わらない。だが、前作が「お金」によって狂う人々の様子を描いた物語だったとするならば、今作のキーワードは「セックス」になるだろう。それを象徴するのが、地元で売春婦をしているルチアとミアであり、セレブたちからすると「下層」に位置する彼女たちが物語を引っ掻き回してゆく。祖父・父・息子で泊まりにきた3人連れの一家は、父であるドミニクがセックス依存症で、妻から愛想を尽かされている。旅行に来て早速やることといえば娼婦であるルチアを買うことであり、どうしようもない。息子であるアルビーはスタンフォード大学を出ている優秀な子だが、初心なこともありルチアに恋してしまう。

ホテルの支配人でレズビアンのサブリナは自身の特権を活かし部下と関係を持とうとするがあえなく撃沈。そこで登場するのがバイセクシャルであるミアだったりする。こんな具合にそれぞれのキャラクターが「性」に翻弄されていき、そこでは金を持ってる持ってないということは後方へ追いやられる。結果的に今回は"搾取される側"であった地元民であるルチアとミアが彼らからお金を搾り取り、望んでいた仕事やポジションをある程度手に入れることで「大勝ち」することとなる。

個人的に今作において特に巧みだと感じたのは「全てを映さない」点だ。大学時代の友人夫婦と2組でホテルに訪れたイーサンは、あることがきっかけで妻から浮気を疑われることとなる。その疑いは晴れず、モヤモヤした気持ちを抱えたままストーリーは進んで行くこととなるのだが、反対に妻であるハーパーも友人と"何かしら"あったことがわかってくる。しかしここでドラマはハーパーに起こった"何か"を明確には描かない。我々視聴者にとってもあるライン以上は想像の余地を出ず、イーサンと同じ状況に置かれるわけだ。そしてこれは今作の主題にも繋がっており、私たちは他人の全てを知ることが出来ないし、さらに言えば自分自身の気持ちでさえ曖昧なものなのだ。そのことを象徴するように最終話において各人物に起こる様々なことは、その全貌をしっかりと裏側まで見せることはせず、「おそらくこんなことがあったのだろうな」という想像の余地を残すに留める。

結果として、それぞれがまた社会へ戻っていくこととなり、少しだけ関係性がほぐれて幕を閉じる。ここでは人間の「一皮剥けばみんな獣」という面と、「それでも社会に溶け込み生きる人々」の姿を"皮肉"と"受容"を込めて描かれているように思う。

サスペンスとしても、ブラックコメディとしても面白い作品でした。ただ、構造がやや複雑なのと、人によっては面白さよりもストレスの方を多く受け取ってしまう気もする。