ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!

良かったです。かなり。2023年にリブートするにあたって、ミュータントたちを「はぐれもの」として設定することで、より現代版らしくアップデートされた感がありました。彼らの立ち位置は"移民"や"難民"に置き換えることも可能なため、そこにある人間とミュータントの関係性を迂闊に敵同士とはせず、分かりあうための「糸口」を探りつつ描いていた部分に脚本の良さを感じます。4人の関係性も単純にに"仲良し!"というようにはせず、多感で、でも楽しいことが大好きな15歳、という性格が付与されているので共感しやすいし、愛着が湧きます。そりゃ、お年頃なんだからみんな遊びたいよねー。「みんなに受け入れられたい」という動機は私からすればぜんぜん不純だと思わないけど、この作品ではさらに「ただ誰かを救いたいから救う」という無償の精神を大事なものとしており、よりハッピーな気分を盛り上げます。アクションは終始動きまわるので、見ていて少々疲れますが、アメコミ風のタッチにストリートアートっぽいやんちゃさを加え、絵画と粘土の中間くらいなCGで作られた作画はぬるぬるしていながらもメリハリが効いていて目が楽しい。かかる音楽もそれぞれ味があり、スーパーフライの声を演じたのがアイスキューブであることが象徴するように90年代のカルチャーをクールなものとして魅せてくる様子が楽しいです。ファッションもカルチャーも廻るものですが、いまはこの時代がクールなんですかねえ(遠い目)。何よりも終盤におけるエイプリルが行う行動によって市井の人々が立ち上がり、偏見や誤解が解かれていく展開は感動的。現実ではこう簡単に行きませんが、その分夢が詰まっていて素敵なシーンだと感じました。ここで描かれているのは「正しい報道と、それを受け取る側のリテラシーの重要性」だと思いますが、それを説教臭くならず楽しい気分で伝えられている時点で上出来。『スパイダーバース』も素晴らしかったですが、こっちもいいぜ〜。