ジョン・ウィック:パラベラム

問題は「何者として死にたいか」だ。

 

コンチネンタルホテルの総支配人ウィンストンの言葉はこの作品の確信を突いている。煌びやかなネオンが「夜の街」を象徴的に映し、幻想的な世界を作り出す。それは現代が舞台であるにも関わらず、どこか浮世離れしており、さらにバイオレンスかつド派手なアクションが次々に繰り広げられることから「見知った場所なのに異世界」という不思議な感覚を観るものに与えるだろう。『ジョン・ウィック』はその意味でSFや幻想文学の手触りに近く、その絶妙な匙加減にこそ監督であるチャド・スタエルスキの作家性が宿っているように思う。

 

平和を望むなら戦いに備えろ。

 

映画ってのはアクションが面白ければ成立するものだけど、その意味でこの映画は最高だ。殺るか殺られるかの殺し屋が跋扈するトンデモな世界観の中であの手この手を使って殺し合う。監督は間違いなくゲーム好き、というよりも『GTA』や『MGS』や『バイオ4』あたりのドンパチ感があるアクションゲームが好きなんだろうなと観てて感じる。チャプターごとにアクションと会話イベントが発生し、フラグを立てて次のステージへ。徐々に敵の装備や戦闘能力は強化され、その分こちらの武器もグレードアップしていく。1作目からさらに切れ味の増した殺陣やバイクアクション、さらに本や馬と、手近にあるものはなんでも使っていくので笑えるし興奮する。4作目は日本が舞台となってるらしく、さらに突き抜けたものが見られそう。「平和」を望む者が「怒り」によって戦いに身を投じ、いかに死ぬか、その物語の結末を。

 

私は本当に腹が立ってる。どうだジョン、君もか?